食物アレルギーについての知識はありますか。
今回は意外と身近なのに意外と知らない食物アレルギーについて、ご紹介をします。
食物アレルギーってなに?
食物アレルギーとは、有害な細菌やウイルスなどの病原菌から体を守る「免疫」が、ある食べ物に対して過敏に反応してしまうようになることです。
食べ物を異物として認識してしまうことで、起こるアレルギー反応を「食物アレルギー」といいます。
食物アレルギーは大人になってから発症するケースも少なくありません。
幼時から高齢者までアレルギー症状は見られるものです。
どんな症状がでる?
体内で、異物として認識された食べ物を排除する為に、アレルギー反応が起こります。
主な症状は、かゆみや蕁麻疹、唇やまぶたの腫れ、嘔吐、咳などが挙げられます。
稀に、意識がなくなる、ショック状態になる場合もあります。
治る?防げる?
食物アレルギーに有効な治療方法はないとされていて、原因となるアレルゲンを摂取しないことで防ぐのが、現在の食物アレルギーの在り方です。
また、食物アレルギーは、突然発症するケースがあります。
食物アレルギーを持つ場合、アレルゲンの摂取防止やアレルギー発症の原因究明が
必要不可欠なのです。
この為、ある程度の情報を把握できる食品表示は、とても重要なものです。
表示は義務?義務じゃない?
食品表示法で、食品表示基準で義務付けるものと通知で表示を推奨するものの2種類があります。
表示義務のあるもの(特定原材料8品目)
えび/かに/くるみ/小麦/そば/卵/乳/落花生(ピーナッツ)
上記8品目は、ほかの食品に比べて、アレルギーの発症数が多く、アナフィラキシーショックが起こる可能性が高い為、表示が義務化されています。
表示を推奨するもの(特定原材料に準ずるもの20品目)
アーモンド/あわび/いか/いくら/オレンジ/カシューナッツ/キウイフルーツ/牛肉/ごま/さけ/さば/大豆/鶏肉/バナナ/豚肉/まつたけ/もも/やまいも/りんご/ゼラチン
表示が義務化をされている特定原材料8品目に比べると、発症数や重篤な症状は少ないとされていますが、上記20品目も積極的な表示が指示されています。
表示法が施行された経緯
アレルギーによる健康被害を防ぐ為、日本では2001年の食品衛生法改正で初めてアレルギー物質が表示義務化されました。
その後、被害の報告によって、表示義務・表示推奨品目が増えました。
さらに、2015年には、数多くあった食品表示に関する事項をまとめた食品表示法が施行されました。
義務なのに義務じゃない?
実は、このアレルギー表示、義務化されているのは「容器包装された加工食品」だけなのです。
つまり、飲食店やお惣菜、パン屋さんでは、食品表示法のアレルギー表示は義務化されていないのです。
最後に
飲食店や総菜売り場では、アレルギー物質の表示義務はありません。
また、人によって原因となるアレルゲンと、反応を引き起こす量が異なります。
さらには、その日の体調によっても変わるものです。
アレルギーを持つ方でも、安全な食事ができる様に、アレルゲンの混入事故防止や、アレルギー物質の有無、メニュー表示の工夫について最善を尽くすことが大切です。