Trick or Treat! お菓子くれなきゃいたずらするぞ!
皆さんも一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
今回はハロウィンにお菓子を配る理由を解説します。
ハロウィンにお菓子を配る考えられる要因
ハロウィンは、アメリカを中心に広まったお祭りで、日本でも人気な季節行事です。
海外では、子供たちが仮装をし、近隣の家々を訪れ、お菓子をもらうことが恒例となっています。
では、なぜハロウィンにお菓子を配るのでしょうか?
1.ケルト文化の影響(古代アイルランドの伝統文化)
ケルト文化の影響によるハロウィンの起源はケルト文化に遡ります。
ケルトの祭り「サムヘイン」は、収穫の終わりと冬の到来を祝うもので、この時期には亡くなった魂や悪霊が生者の世界に戻ってくると信じられていました。
人々は仮装をし、灯りを灯して悪霊を追い払う儀式を行い、家々を訪れて食べ物を分け与えました。
また、ケルト族の中では11月1日は新年の始まりの日とされていました。
その前夜である10月31日は「All Hallow’s Even(諸聖者の日の前夜)」と呼ばれ、新しい1年の幕開けをお祝いする前夜祭が行われていました。
これは帰ってきた死者の魂が作物を荒らしたり、子どもをさらったりする悪事を防ぐためのものでした。
仮面をつけたり仮装をして悪霊を追い払い、さらに悪霊が家の中に入らないよう厄払いとして外に作物を供えておいたのです。
これが現代のハロウィンの由来になっていると言われています。
2.キリスト教の影響
キリスト教の影響によるハロウィンの起源は、ヨーロッパの「souling(ソウリング)」という儀式が関係していると言われています。
ヨーロッパでは、ハロウィンの夜が明けた11月1日は「諸聖人の日」となりますが、その翌日、11月2日が「死者の日」にあたるそうです。
ソウリングとはキリスト教が定めている死者の日に仮面をつけた子どもたちが、特別なお菓子として知られる「ソウルケーキ」をもらいに各家庭を周り、そのケーキで、亡くなってしまった人たちを弔うものです。
ソウルケーキは焼く前に施しの印として十字の印が付けられます。
一方ケーキを差し出さなかった家では、天国に行けなかった霊魂がいたずらをして災いを起こすとおそれられていました。
このソウリングの風習が伝承され、「いたずらか、お菓子(ソウルケーキ)」(trick or treat)という現代の楽しいやり取りにつながっていったと言われています。
ハロウィンと呼ばれるようになった理由
ケルト族はローマ人に侵略され、ローマ人が信仰するキリスト教が流入します。これによって、ケルト族の信仰とローマの祭り、さらにキリスト教が混ざり合い、ハロウィンが生まれたと言われています。ハロウィンという言葉は、「All Hallow’s Even」を省略した「Halloweens eve」が訛った「Halloween」が語源とされています。
まとめ
ハロウィンでお菓子を配る習慣は、ケルト文化、キリスト教の伝統等様々な要因から考えられています。
今現在は昔とは変わり、楽しい季節行事になりました。
家族や友人を集めて、ハロウィンパーティーを楽しんでみてはいかがでしょうか?
参考文献
Halloween | LearnEnglish – British Council